聖なる脱出!(エクソダス!)
燃え上がる生存本能!
日々高まってゆく死の危険をその身に感じたソニアはこの牢獄からの脱出を決意した!

ソニアの両足を拘束している鎖はつけられた当初から鉄が錆びるのを防ぐためのメッキが一部わずかに剥がれていた、ソニアはそこに食事として与えられた塩っ気の強いスープや食べ物を毎日手で少しづつ塗り込んでいた、今ではメッキの下でかなり鎖の腐敗が進んでおり床にでも叩きつければ簡単に破壊できるくらいになっていた。

ソニアが自由を得るために問題があるとすれば両手の拘束、それと首と壁をつないでいる鎖だった、足が自由になって走れるようになったとしてもこれら二つの鎖を外すことが出来なければここから出てゆくのは難しい…

だが彼女は知っていた!自分を酷い目に合わせているあの男は他人を信用しない、奴隷たちを繋ぐ鎖の鍵、特にソニアを繋ぐ鎖の鍵に関してはつねに自分の懐に入れて持ち歩いていると言うことを。

そして脱出のチャンスはやって来た!いつもの食事の時間となり奴隷商人が一人であのまずいスープと汚れたパンの切れ端をソニアのいる地下室へ持って来たのだ、ソニアはおとなしく食事を受け取るふりをして男を油断させると背中を向け立ち去ろうとした彼に跳びかかり両手を繋ぐ鎖で力いっぱい男の首を締め上げた!

思いもよらぬ不意打ちを受けた恐怖でパニックとなった奴隷商人は両の目を見開き必死に抵抗した、だがどうしたことであろう?男と少女の間には圧倒的な体格差とパワーの差があるはずなのに拘束を振りほどくことがまるでできない、メリメリと音を立てて首に食い込んでゆく鎖、ソニアを散々苦しめたこの男は血の泡を吐くとそのまま崩れ落ち動かなくなった。
番兵に見つかる前に…
ソニアが男の懐を探ると大量の鍵束が出てきた、両腕が不自由な状態で小さな鍵穴に一本一本鍵を差込んでゆく作業は困難を極めた。

「急がなければ!」焦燥感にかられ何度も鍵束を取り落とすソニア、厄介な首の鎖はすぐにはずすことができたが腕の枷に合う鍵がなかなか見つからない!

作業を始めてからどれくらいの時間が経っただろう?全ての鍵を合わせてみたソニアだったが結局腕についた枷をはずす鍵は見つけられなかった。
脱出!
男の衣服の中を更に探りたい所だがこれ以上モタモタしている時間はなかった、奴隷の主人殺しは罪が重く問答無用で死刑となる、異常に気づいた番兵がいまにも階段を降りてくるかも知れない、もしそうなったら槍や剣で簡単に追い詰められて殺されてしまうだろう、この地下牢から地上に出る為の入り口はひとつしかないのだ!

表に出て自由になりさえすればこんな鉄枷はいつでもはずせる…ソニアは脱出の意を新たにするとまだ暖かい男の亡骸に一瞥をくれて一歩…また一歩と階段を登っていった。
談笑する番兵たち
長く監禁されていたせいで足腰が弱っているのか彼女はヨロヨロと頼りなく階段を登っていく、階段を登り終えると鍵のかかっていない無人の小さな個室に出た、ソニアはこの部屋に見覚えがあった、奴隷として買われ連れて来られた際に一度通った場所だった。

飾り気のない部屋だが白い布がかぶせられたテーブルやイスも置いてあり食事の跡などもあった、恐らくソニアが相手をした男たちの待合室にでも使われていたのだろう。

ソニアはテーブルの上に乗っているものを全て床へ置くとかけられていた白いボロ布を手にとり適当な大きさに破って身体に巻きつけた、服のつもりだった、さすがに裸で逃げ出す訳にもいかない、更に上へと続く階段を登ると太陽のものと思われる光が見えて来る、そして同時に番兵らしき男たちの笑い声も聞こえてきた。

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